有効利用可能な廃液とは
有効利用可能な廃液とは?
廃液は「捨てるもの」ではなく、別の工場にとっては“価値ある資源”になることがあります。
活性汚泥処理の現場では、廃液の性質によっては コスト削減・処理安定化・栄養補給 に役立つケースが多く存在します。
よくある課題(現場で起きていること)
● 高負荷廃水が流入してオーバーロード
→ 分離して別処理したいが、焼却は高コスト。
● 定修で原水負荷が極端に低下
→ 再稼働時に処理が追いつかず、工場稼働に影響。
● 原水の基質が貧弱で汚泥活性が上がらない
→ 良質な栄養源があれば処理水質が改善するのに。
● 糸状菌が増えて沈降不良
→ 原因廃水は分かっているが、他に処理手段がない。
● ミネラル不足で凝集・沈降性が悪化
→ 補給したいがコストが合わない。
しかし…別の工場から見れば“必要な資源”になることがある
A社では廃棄物でも、B社では 栄養源・還元剤・ミネラル補給源 として価値が生まれます。
価値が生まれる廃液の例
① 高濃度有機廃液(BOD 50,000 mg/L 以上)
食品系廃水などは特に価値が高く、 低負荷時の栄養源・活性回復剤として有価物化 できます。
② 溶剤系の高負荷廃液
蒸留・固液分離で濃縮し、 溶剤濃度30%以上 にできれば、
• 活性汚泥の栄養源
• 脱窒の還元剤 として利用可能。
③ A社では“邪魔”でも、B社では“必要”な廃液
● 糖分が高く糸状菌を増やす廃水
→ B社では栄養バランス改善に役立つ。
● 窒素(N)が多すぎて阻害を起こす廃水
→ B社では不足している栄養塩Nの補給源。
BOD 10,000 mg/L 程度でも価値が出るケースがあります。
④ 栄養塩(N・P・K)を多く含む廃液
栄養塩不足の工場では、 そのまま有価物 になります。
⑤ ミネラル(無機塩)を多く含む廃液
ミネラルは汚泥の凝集・沈降性に大きく影響。 不足ミネラルと一致すれば 高い価値 を持ちます。
経済性の目安
内容 コスト / 価値
廃棄物として処理 BOD 1kgあたり 約100円
栄養剤として活用 BOD 1kgあたり 約200円の価値
廃液の運搬費 1トンあたり 約2万円
有価物化のための技術的チェック
廃液を他社の活性汚泥で利用するには、 次の点を必ず確認します。
• 微生物がその基質に 馴養できるか
• 微生物に対する 阻害性がないか
• 小規模試験で事前に確認できるか
小川環境研究所では、 これらの 活性汚泥試験を専門的にサポート しています。